わたしが読んでいるのは、「萩尾望都作品集第T期@」に収められているものです。他にも収録されてる本があるかもしれませんが未確認。
短いんだけれど、すごく濃縮されていて、凄く美しくて、たった15ページなのに泣ける。萩尾望都のあの絵があってこその世界。
昔の少女漫画の絵って、嘘っぽいとか大げさとかで批判されがち・敬遠されがちだけれど、「花の24年組(*1)」と言われる人たちのは、それぞれ
絵のタイプも作品のタイプも違うけれど、やっぱり凄い。それぞれが各々の世界を作るためにどうしても必要な絵だったと思う。
今の漫画家で(現在の24年組の人たちも含め)、あの世界観や透明感や美しさを出せる絵を描ける人はそうそういない。別の世界はつくれるだろうし、
それはそれで素晴らしいし楽しいし、今の漫画も大好きだけれど、あのころのあの感じを再び蘇らせてくれる人は現れないだろうか、とひそかに期待
して待っています。もっとも、その当時わたしはまだ生まれてませんでしたが。
ビアンカの他に、一緒に収録されている他の作品も良い。
わたしは特に「雪の子」「爆発会社」が好き。現在、日本の漫画業界は本当に発展して、ジャンルもいろいろあるし、作品の幅も広いけれど、この当時
のアイディアの奇抜さも、負けずにすごいなあ、と感心する。
* 花の24年組・・・ 昭和24年前後に生まれた少女漫画たちをまとめてこう呼ぶ。
メンバーは、萩尾望都、竹宮恵子、大島弓子、山岸凉子、木原敏江、樹村みのり、ささやななえなどが主なところ。
この人たちがいなかったら、現在の少女漫画の地位はなかったであろうといわれる。それくらい、当時革新的な漫画を
漫画を描いていた人たちだ。技術的にも、ストーリー、構成的にも、この時代に大きく進歩したのだ。
ありがとう!24年組!ちなみに、本当に24年生まれの人は2人くらいしかいないそうです。
しかし、今思えば古臭いネーミングである。メンバーたちは今もって古臭くなっていないというのに。
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